REAPERに乗り換え、アイテム周り(2)

前回に続きアイテム関連の基礎知識をざっと。今回は私が考えた質問に私が答える形式でいきます。(やめなよぉ…)

アイテムの情報ってこのゴチャっとしたやつしかないの?

そうわよ!
アイテムをダブルクリック(or F2キー)で出てくるこのプロパティウィンドウ、アイテムの情報が集約されているので見た目に反して有能です。
しかしウィンドウサイズが変えられないので常に表示させておきたい方にはちょっと邪魔かと。そこで個人的にお勧めなのが「Interactive Toolbar」というCuBASEタイプの情報表示系スクリプトです。アイテムの主要なパラメータに触れるので今すぐインストールしたほうがいいです。前に紹介記事を書いたのでどうぞ。

Interactive Toolbarのボタン類は以下の通り。こう見るとBWF以外は見たまんまですね…

  • Lock:ロック切り替え
  • Loop:ループ切り替え
  • ChMode:LチャンネルのみやL+Rチャンネル等に変換(非破壊)
  • Preserve Pitch:タイムストレッチをかけたときピッチの固定・変動を切り替え
  • Mute:ミュート切り替え
  • Reverse:リバース切り替え
  • BWF:BWFチャンクの位置情報を反映

Interactive Toolbarの右側も見たまんまなので説明無しで。

BWFとは

使ったことないのですが拡張チャンク?が埋め込まれたWAVEのこと?みたいです?(分からんなら書くなよ)まぁメタデータですかね。中には位置情報も入れられます。

例えばREAPERで8.00秒の位置にあるアイテムを選択し、「BWFチャンクを書き込む」にチェックを入れ「選択メディアアイテム」を対象にしてレンダリングすると位置情報が入ったWAVEが書き出されます。それをど頭(0.00秒)にD&DしてBWFボタンを押すと8.00秒の位置に移動する、という寸法です。
詳しくはBWFのWikiを見てくれ!

BWFで思い出しましたがDAWの互換性に関しては「DAWproject」に期待したいところ。スレッドを見ると結構開発が進んでるみたいなので意外ともうREAPERでもいけたりするんかな?

アイテムのループを切り替えたいんだが?

アイテムのプロパティウィンドウや、上でご紹介したInteractive Toolbarから切り替えられますが、メディアアイテムボタンにループが無いので慣れないうちは意外と見つからないかもしれません。
頻繁にループを切り替える方は以下のアクションをショートカットキーに登録しときましょう。

アイテムプロパティ:ループ ▲▼ Item properties: Loop item source

REAPERのループ仕様はACIDやLIVEと同じでドラッグしたぶん伸ばせるやつです。Studio OneやCuBASEのようにカチっとした動作が好みの方には合わないかもしれません。
あと、環境設定の「Item Loop Defaults」からループの条件を設定できます。初期状態だと全てチェックが入っているのでインポートや録音した素材は最初からループが有効になります。私はループさせたいときは自前で設定する派なので全部オフってます。

Ableton Liveみたいにスライスしたら自動で鍵盤に割り振ってついでにMIDIにエクスポートしてくれないの?

じゃあLive使えよ!(半ギレ)
REAPERでもMK Slicerというスーパー有能スクリプトに頼れば1ボタンで可能です。ただ、長めのループになると変換にそこそこ時間がかかったり、スライス数と同数のサンプラーが立ち上がったりするのでちょっと手軽にとはいかないです…なので個人的には外部のサンプラー系プラグインの使用をお勧めします。

一応MK Slicerでスライスしたときのキャプを貼っておきます。

ちょっと脱線して私が使っているサンプラーをご紹介

Vice(New Sonic Arts)

サンプラーというかループスライサーです。機能は過不足なく動作が軽くて起動も一瞬なのでループ素材をバラすときは必ず使ってます。そしてUIがとても大きい(嬉しい)。
New Sonic Artsのプラグインは長いことVST2しかないのが不安要素だったのですが、わりと最近VST3版が追加されてオレ歓喜。

New Sonic Arts | Vice - Loop Slicer & Sampler VST AudioUnit Plugin
New Sonic Arts - Innovative Audio Software

Nuance(New Sonic Arts)

こちらは純然たるサンプラーなのでループをバラす機能は無く、ワンショットでドラムキットを組む時などに使ってます。Viceと同様に軽い速いでかいです。

New Sonic Arts | Nuance - Sampler Instrument VST / AudioUnit Plugin
New Sonic Arts - Innovative Audio Software

Falcon(UVI)

シンセにもサンプラーにもなる超多機能プラグインなのでお持ちの方も多いと思います。これが意外と起動も速くて一時期はViceの代わりに使っていました。ですがシンプルなサンプラーやスライサーとして使うには贅沢と言いますか、さすがに少し重いし場所も取っちゃうのが玉に瑕。でも好き。エキパン半額になったらまた買い足すぞ🤗

UVI Falcon - クリエーティブハイブリッドインストゥルメント
UVIインストゥルメントの中核、合計20種類のシンセとサンプリングオシレーター、100以上のエフェクト、モジュレーションジェネレーター、スプリプトによるプログラミング可能なイベントプロセッサーなどを装備

Kontakt(Native Instruments)

説明不要のデファクトスタンダードサンプラー。全員持ってると言っても過言ではないでしょう。Kontakt7からついにUIのサイズが変えられるようになったものの、さすがにUIの設計が古いのでサンプラーとしてはエディットし辛いです😓

Native Instruments - 音楽制作とDjプレイのためのソフトウェアとハードウェア
Native Instruments 社は、コンピュータをベースにした音楽制作とDJプレイ用のソフトウェア開発における第一人者として市場をリードしています。

波形エディタとかないの?

無いよ!
かわりに選択アイテムを外部のオーディオエディタなどで開く機能がございます。
DAWは基本非破壊編集ですが、SEやナレーション系の編集だと素材を破壊編集でFixしながらゴリゴリ進めたいケースが多々あるので個人的にはよく使います。

プールみたいなのないの?

あるよ!
REAPERでは「プロジェクトベイ」という名称で、オーディオアイテムだけでなく、MIDIアイテムやFX、オートメーションの情報も一覧で確認できる優れものです。

「このアイテムをサンプラーにぶち込みたいなぁ…」となったとき、REAPER上のアイテムを直接プラグインにD&Dはできないのですが、プロジェクトベイのソースタブからならプラグインにD&Dできます。その際、プロジェクトベイのオプション「Mirror selection in bay and project」にチェックを入れておくと選択しているアイテムとプロジェクトベイ内の選択状態が同期されるので探しやすくなります。

まとめ

いかがでしたか?(久々)
VST3が無いプラグインは今後のメンテや更新も期待できないので、ViceとNuanceの代わりになるサンプラーは探し散らかした覚えがあります。「VST3」「起動が速い」「UIが小さくない」の3点が必須条件だったのですがこれが意外と見つからなくて、重量級プラグインのイメージだったFalconにたどり着いたのはかなり時間を使った後でした…幸せの青い鳥はなんかその辺にいたってやつですね🥹

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