REAPER v7.12、アイテムのラウドネス表示など

先日REAPERのv7.12が公開されまして、個人的に嬉しい機能が追加されたのでご紹介です。
REAPERのアップデートって不定期なのですが体感で月1、2回はあるかな…メジャーなDAWと比べると高い更新頻度かと思います。さらに今回のようなマイナーアップデートにも関わらず結構ハデな機能が追加されたりするので油断なりません。(Ver.5の途中で楽譜エディタが搭載されたりしました)
興味のある方は公式のアプデ履歴をどうぞ。
https://www.reaper.fm/download-old.php?ver=7x

オーディオアイテムのラウドネス表示

アイテムのピークに、ラウドネス値に沿ったカラーリングやグラフを表示できるようになりました。ビジュアル的な更新はなんでも嬉しい。プラグインのGUIが異様にリアルだったりすると俄然やる気が出てくるあの感じです。

追加されたアクション

以下のアクションが排他で使用できます。

  • Peaks: Toggle color peaks by momentary loudness (LUFS-M)
  • Peaks: Toggle color peaks by short-term loudness (LUFS-S)
  • Peaks: Toggle show graph of momentary loudness (LUFS-M)
  • Peaks: Toggle show graph of short-term loudness (LUFS-S)

上2つがカラーリング、下2つがグラフ表示で、LUFS-Mは瞬間的な値(400ms)、LUFS-Sは3秒間の平均です。
アクションを直接叩く以外にも、オプションメニュー > ピーク表示モード > ピーク表示設定のウィンドウから変更可能です。

オプションのShow peak value~がONだとマウスカーソル位置の値が表示されます

アイテムの音量調整に便利

ちょうどライブで使うカラオケデータの音量を調整する作業をしていたので早速使ってみたところ大変便利。

当然と言いますか、アイテムに表示されるラウドネスはエフェクトを通る前の値なので、ラウドネスメーター等のプラグインと使い分けが必要です。
私の業務内で思い付く用途は、今回のような完パケ素材の音量調整だったり、2mixのラウドネスを表示してマスタリングエフェクトの参考にしたり、あとボイスドラマ編集の時はある程度調整済みの素材を使うパターンが多いので音量調整の目安になりそうです。

こういった音量調整、私は基本手動でやってますが、REAPERではレンダリング時にラウドネスでのノーマライズも可能です。

PieMenu 3000に登録してピーク表示のテスト

最近注目しているスクリプト「Sexan PieMenu 3000」のご紹介ついでに、ピーク表示周りのアクションをスクリプトに登録してキャプってみました。スクリプトの設定や使い方は分かりやすいので機能のご紹介などは省略。記事を書いている時点ではβ版ですので興味のある方は自己責任でどぞ。

Lua: Pie Menu 3000 (Beta) - Cockos Incorporated Forums
Lua: Pie Menu 3000 (Beta) ReaScript, JSFX, REAPER Plug-in Extensions, Developer Forum

以前ご紹介したnvk_SEARCHと合わせればランチャー系の充実度が半端なくなるのでおすすめ。ツールバーの設定はなんだかんだ手間がかかりますからね…

トラックマネージャーにFXやSendがドラッグできるようになった

むしろ今までできなかったのが不思議と言いますか。TCPからのSendや、プラグインを別トラックにコピーする動作がやりやすくなるので個人的にはかなり嬉しいです。
Windows版REAPERのトラックマネージャーはとにかくフォントが小さいので避けてきたのですが、Sendできるとなると今度は一覧性が重要になるので我慢して使ってやるです。(えらそう)

SendはTCPのROUTEボタンやMCPのセンドからトラックマネージャーにドラッグです。
FXはTCPに挿した各FXやFXボタン、FXチェーン、FXブラウザからトラックマネージャーにドラッグです。ありがたいことにnvk_SEARCHからもドラッグできました。なおAlt(Opt)+ドラッグでFXの移動になります。

今までは快適なSendを実現するため様々なスクリプトに頼ってきましたが今後はトラックマネージャーだけでいけそうな予感。小さいフォントへの憎しみが利便性を上回らない限りいけそうな予感。

REAPERと関係ないけど耳の劣化というか老化対策の話

仕事柄ヘッドフォンをしている時間がとにかく長いので聴力は年々劣化していることでしょう…なので耳だけで判断せず、できるだけメーター系プラグインを併用するようにしています。

最近やったボイスドラマの編集で、高域部分(16kHzより上くらい)に電気的なノイズが乗った音声が届いたことがありました。私の聴力だとこの帯域はもはや全然聞こえなくて、音量調整中にSpectrumメーターを見たときに始めてノイズの存在に気付きました。いわゆるモスキート音の帯域ですね。高い音って小さい音量でも目立ちやすいので、これを見落とすと中年以上には癒やしを、若い人には苦痛を与える新ジャンルASMRが誕生してしまいます…今後も注意してゆきたい所存。

あと私の場合ですが、自分で制御できない高域はミックスの段階でローパスかけちゃうし、マスタリングEQにもローパスがあれば使いますので、「これハイレゾ音源なのに高い音が無い!ニセレゾ!」とか言うのやめてほしいです。まぁ高域が絶壁になってるような音源はニセレゾかもですが🤔

コロナ禍以降、声優さんやナレーターさんの自宅録音が急激に普及し、同一プロジェクト内でも音質がばらける事が珍しくなくなりました。私もそういった音源に対応できるよう編集環境を整えており、作業ごとの料金表などもご用意しております。
音質や音量調整、アンビエントノイズの軽減にリップノイズのカット、結構得意なので相談してほしい(言いたいだけ)

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