REAPER、タイムスタンプバックアップの設定

REAPER v7からバックアップ機能が強化され、バックアップ数の上限などを設定できるようになりました🙌(2023/11/9追記)
参考記事:https://blueberry-yogurt.com/?p=2010

あたしって打算的で人間が小さいのでREAPERの記事を書く前にまず同じような日本語の情報がないか検索して他人様と被らないようにしています。
そうしてREAPERをTwitterなどで検索しているうちに以下のようなワードが目立つことに気づきました。

  • REAPER落ちた
  • REAPER落ちた市ね
  • REAPER落ちたんだが?
  • 音MAD
  • REAPERで人力

REAPER落ちたに関しては「Excel落ちて3時間分の仕事が消し飛んだわー(飛んでないというか仕事さぼってた)」みたいな、おそらくはある種の様式美としてつぶやかれているのでしょう。ですが知らない人が見るとREAPERめっちゃ不安定じゃね?って思ってしまう恐れもあるのでそこは否定してゆきたい。
私の環境ではって話になっちゃいますが、REAPERの安定感はCuBASEやStudio Oneといった他のDAWとそう変わりません。落ちるときはだいたい操作しているプラグインが悪さしたりプラグインとの相性だったりと外的要因が大きいイメージです。REAPERを含めて最近のDAWはネイティブ機能に限ればかなり安定しています。

音MAD。検索せずに語感からの想像で書くと、アニメ・ゲーム系ジャンルで、ボーカルやセリフをサンプリングしたチョップ系リミックスってところでしょうか。(けっこう自信あり)

人力…人力ってなんだよ。全く想像がつきません。まず人力が付く単語って人力車と人力ドラムンベースくらいですから消去法でドラムンベースの隠語か何かですかね。(自信がない)
なんにせよ日本のREAPER界隈は独特の文化が形成されているようで面白いです。

おすすめのバックアップ設定

REAPERには手厚いバックアップ機能が搭載されているのでちょっとくらい落ちても平気です。
個人的にはプロジェクトを上書き保存すると同じ場所にバックアップファイルを作ってくれて、さらにプロジェクトフォルダ内にバックアップ専用フォルダを作って、そこにタイムスタンプバックアップを自動で作ってってくれる形式が一番好きなので設定をご紹介します。

この設定ですと、手動で保存し忘れていても15分ごとにタイムスタンプバックアップをBackupsフォルダ内に作っていってくれます。なお、プロジェクトに変更が無い状態ならバックアップされないので、ちょっと休憩のつもりで5時間寝落ちしてもバックアップファイルが増殖したりはしません。

タイムスタンプバックアップの問題点

REAPERはネイティブ機能だけだとタイムスタンプバックアップの数に制限をかけられないので、ヘタをするとバックアップファイルがずんずん増えてギガ単位にまで膨れ上がってしまうなんて事も。VSTiの数が多いプロジェクトファイルだと顕著です。

DAWに限らず規模が大きめのソフトウェアだと10個を超えたら古い方から消してくみたいなバックアップ数に制限をかけられる物が多いので、REAPERにもネイティブで機能を搭載していただきたいところ。しかし嘆いていても仕方ないのでいつものようにスクリプトに助けていただきましょう。

amagalma Backup Limit

amagalma様作、タイムスタンプバックアップの数を設定して上限を超えたら古い方のバックアップを削除してくれるスクリプトです。

Backup Limit pack - Keep x number of most recent timestamped backups - Cockos Incorporated Forums
Backup Limit pack - Keep x number of most recent timestamped backups ReaScript, JSFX, REAPER Plug-in Extensions, Develop...
プロジェクトファイル名に「-」(半角のハイフン)を含めるとスクリプトがうまく動きません!アンダーバー「_」などで代用してください。

なにぶんファイルを削除するというある意味恐ろしい動作をするスクリプトなので十分注意してお試しください。スクリプト作者様もネイティブ実装されるまでの繋ぎとして使ってくれ的な書き込みをフォーラムでされてました。
私は半年以上使っていますが安定して動いてくれています。上記のハイフンにさえ気をつければ日本語のファイル名でも問題なく動作しました。

インストール

ReaPackで「amagalma backup」をフィルターに入力しますと、
4つ出てきますが、今回はひとまず「Backup Limit Manual」と「Backup Limit Manual Setting」の2つをインストールしてください。(もちろん全部入れてもOK)

使い方

まずは「Backup Limit Manual Setting」をアクションリスト等から実行してバックアップ数の上限を決めます。

Files to keepにお好きな上限数を入力してOKを押します。
keep one file per diferent dateにyを入れると、日付ごとに1つだけバックアップファイルを消さずにいてくれます。(試してないのでたぶんです)

もう一つの「Backup Limit Manual」は、実行すると上限を超えたバックアップファイルを古いほうから削除するスクリプトになります。
このスクリプト単体では実行し忘れてしまうので、「上書き保存→このスクリプトを実行」というマクロ(カスタムアクション)を組んで、上書き保存のショートカット(CTRL+S、Cmd+S等)に割り当てるのが推奨の使い方となります。上書き保存をするたびにバックアップが掃除されるという寸法ですね。

例えば「テストrpp」フォルダ内に「テストプロジェクト_0531_00.rpp」というプロジェクトファイルを作って作業を進めていると…

[テストrpp]
├ [Backups]
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1020.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1024.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1026.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1029.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1030.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1031.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1032.rpp-bak
│ └ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1034.rpp-bak
├ [Media]
├ テストプロジェクト_0531_00.rpp
└ テストプロジェクト_0531_00.rpp-bak

Backupsフォルダ内にタイムスタンプバックアップが増殖していきます。(実験のためバックアップ間隔を1分にしています)

おっと、そろそろ保存しねーとな→CTRL+Sで先ほど作ったマクロを実行すると…

[テストrpp]
├ [Backups]
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1029.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1030.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1031.rpp-bak
│ ├ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1032.rpp-bak
│ └ テストプロジェクト_0531_00-2022-05-31_1034.rpp-bak
├ [Media]
├ テストプロジェクト_0531_00.rpp
└ テストプロジェクト_0531_00.rpp-bak

このように、上書き保存と同時にBackupsフォルダ内のタイムスタンプバックアップを新しいほうから5個に保ってくれます。

ちなみに私は作業の区切りが付いたところで名前を変えて保存するクセがあるので上限はやや少なめの5個にしています。基本的には上限10個くらい、自動バックアップは10~15分ごとくらいにするのがバランスいいんじゃないかなーと。プラグインで膨れ上がったプロジェクトは保存時に負荷がかかるので、あまり間隔を狭めるとREAPERが落ちる原因にもなってしまいます。

スクリプトの使い方の翻訳(DeepLに突っ込んだだけ)

このパックは3つのスクリプトで構成されています
(いずれもサフィックスとして"- Keep x number of most recent timestamped backups of current project file "が付いています)。
- amagalma_Backup Limit Manual (手動バックアップ)
- amagalma_Backup Limit Automatic (自動バックアップ)
- Backup Limit Settings (バックアップの制限の設定)

Manualバージョンのスクリプト(1)は、設定に従って手動でクリーンアップを実行します。
以下のような特徴があります。
- 現在のプロジェクト・ディレクトリと、設定されている場合は追加ディレクトリに作成されたバックアップ・ファイルを自動的に処理します(絶対パスまたは相対パスの両方)。
- 保存済み、未保存("名称未設定")両方のプロジェクトで動作します。
- すべてのタイムスタンプ形式をサポート(秒単位の精度の有無にかかわらず)
- 設定により、2つのモードがあります(keep_one_file_per_date または not)。
- 保存アクション(40026)と組み合わせてカスタムアクションを作成し、保存するたびにタイミングを合わせることができます。

自動バージョン(2)は、手動バージョンのスクリプトの「セット&フェザー」バージョンです。
- バックアップファイルが作成された後、しばらくすると自動的に手動版が実行されます。
- CPUへの負荷は限りなく軽いです!
- お好みでツールバーに設定することもできますし、起動時の動作として設定することも可能です。
設定スクリプト(3)では、バックアップファイルの保存数(デフォルトのバックアップ上限=5)と、
keep_one_file_per_dateモードを有効にするかどうかを設定できます(デフォルト=no)。
keep_one_file_per_dateモードを有効にすると、バックアップ上限より前のバックアップはすべて消去しないので、
プロジェクトを過去の日付の状態に戻したい場合に有効です。

 

REAPERが落ちないようにするためのメモ

  • プレイバック中などの処理が重いときにプラグインを激しく操作しない
  • プラグインブリッジ機能は使わない。(32bitのプラグインは死んだのだ…!)
  • ver.0.999を使わない(2006年リリースやぞ…!)
  • 日本語化は製品版REAPER日本語化パッチ(森)を使う(exeで当てるやつは古いので…!)

以上、REAPERが落ちたときの悲しみを少しでも軽減できれば幸い。

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