最初に結論
CPUの省電力機能は切らなくてOK! デフォルト環境でもDAW(REAPER)のプレイバックでドロップアウトしたりレンダリング結果にノイズが乗ったりはしませんでした。しかしここで終わってしまっては私の安っぽい自己顕示欲が満たされないのでどんどん書いてゆきます。PC構成
CPU | AMD Ryzen 9 5950X |
マザーボード | ASRock X570 Taichi |
CPUクーラー | Deepcool AK620 |
GPU | GeForce RTX 3060 |
RAM | DDR4-3200 64GB(定格) |
OS | Windows 11 Pro |
オーディオI/F | RME Fireface 802 MOTU M2(サブ) |

目標とするPCの方向性
- 安定度重視(レンダリングで音が飛んだりクラックリングしたりは絶対にイヤ)
- 安定してくれるなら消費電力が上がっても構わない
- とはいえ仕事せずにネットを見ている時間が長いから消費電力が低いに越したことはない
- オーディオ以外にも使うのである程度ソフトが常駐してても許してほしい
- 空冷
- 静音にはこだわらない
- OSの視覚効果はけっこう好きなので切らずに使いたい
BIOS設定(UEFIだっけ)
PCを組んだらまずC-StateとEIST(Speed Step)をDisableにするのが結構有名だと思います。実際、省電力機能によりクロックが下がる環境だとプレイバック時にドロップアウトしやすかったりレンダリングでノイズが乗ったりした経験があるので、私も長いことこの機能を切ってきました。ついでにオンボードのオーディオも。 しかし最近のCPUは省電力やブーストクロックやらが複雑化&最適化されてどこをいじればいいのかよく分かりません…RyzenだとIntelと用語も違いますし。全体的に「こっちでうまいことやっから勝手にいじんじゃねーよ」という強い意志を感じます。なので、とりあえず分かりやすかったGlobal C-Stateのオンオフ、そして今までの定番だったクロック固定状態を試しました。常駐ソフト
特殊な環境でしか安定しないってのも困るので、普段使っている以下のソフトを常駐させた状態でテストしました。- thilmera7(フレーム速度1秒)
- CLaunch
- RMEのミキサーを表示(TotalMix)
- LINE PC版
- Everything
- TourBoxコンソール(左手デバイス)
- AutoHotKey3つ(マウスジェスチャー、ClipboardHistory、自作スクリプト)
- 付箋(Windows標準のやつ)
レンダリング速度
先日作ったホームメイドスイートピー主題歌の2ミックスを各種環境で最高速レンダリングしました。 曲の長さは4分少々、バッファは256、トラック数はステレオで約60、プラグインはVSTエフェクトが約100個刺さっています。ちなみに完成状態だと負荷が低かったので、重そうなコンプやチャンネルストリップを適当に20個くらい足したりマスターにIKのLurssen Mastering Consoleを挿したりしましたがまだ全然余裕。すげーな5950X。メニーコアを崇めよ。なおネイティブ環境だけで試したかったのでDSPのUADプラグインは削除しました。
C-StateとWindowsの電源オプションで4パターン
C-State「Enable」 | C-State「Disable」 | |
バランス | 1分40秒(2.5x) | 1分49秒(2.3x) |
高パフォーマンス | 1分50秒(2.3x) | 1分51秒(2.2x) |
CPU Ratio x34固定
- 2分26秒(1.7x)
CPU Ratio x42固定
- 1分49秒(2.3x)
レンダリングエラー等は発生せず
レンダリングしたWAVEファイルを全てきっちり聞いたわけではないですが、飛ばしながら聞きつつ波形とスペクトログラムを目視して音飛びやノイズがないことを確認しました。どの環境でもDAW操作中において突っかかりなどは無く、操作感も違いは感じませんでした。 レンダリング中のCPU温度は70度前後でサーマルスロットリングは発生せず(x34固定は冷え冷え)。室温は26度くらい。AK620はファンの音も気にならなくて大変良いです。Noctuaより安いしね。そんなわけで、「C-State Enable」「電源オプション:バランス」「クロックのブーストや電圧周りは全てオート(デフォルト)」であれば、レンダリングは速くてアイドル時の消費電力は低くて高負荷時には踏ん張ってくれそうなので、個人的にはこれがベストだなーと思います。
マルチコアちゃんと使ってくれてるー?



USB周り
RyzenはIntelよりUSB機器との相性が出やすいというウワサがありちょっとドキドキしていましたが現状トラブルは出ておりません。安定感あります。オーディオインターフェースなどの重要な機器をマザー直のUSB端子に繋げれば大丈夫なのではないでしょうか。 USB機器の接続はこんな状態です。- マザーのUSB3
- Fireface802(オーディオI/F)
- MOTU M2(オーディオI/F)
- UAD-2 Satellite
- マザーのUSB2
- Steinberg Key(そろそろ廃止か…)
- WavesとPlugin Alliance用のUSBドングル
- InateckのUSB3.0増設ボード(Fresco Logic)
- Komplete Kontrol(MIDI鍵盤)
- TourBox(左手デバイス)
- UGREENのUSB3ハブ
- MASCHINE MIKRO MK2(MIDIパッド)
- iLok
- Logicoolのマウス用USBレシーバー
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