CuBASEやStudio One、Logicなど、なんと言いますかレイアウトがスタンダードなDAWって左側にインスペクターっていうトラックの情報を表示してくれる列があるじゃないですかぁ。あれREAPERには無いんですけどすっごい欲しいので代替案をご紹介。
インスペクターとは
DAW業界ではトラック情報を縦長に表示するアレで通じると思います。個人的に重要なのはこの縦長って部分で、トラックにインサートしているプラグインやセンド情報を漏らさず見たいので縦長レイアウトがベスト。フェーダーもやっぱり縦が見やすいです。
Ableton LiveやFL Studioなんかは縦長インスペクターが無いですし、無きゃ無いでわりと大丈夫なんですが、プラグインを別のトラックへコピーするときやセンドを送るときにインスペクターからミキサーにドラッグするという動作をわりと使うのでやっぱりあると嬉しいのです。
CuBASEだとこれ。
Studio Oneだとこれ。
上部がトラック情報、下部が選択しているイベントの情報が表示されます。個人的にはこのStudio Oneのインスペクターが一番好み。
ミキサーを左側にドックさせる
「REAPER Inspector」などで検索すると最初に出てくるのがこれ。ミキサー画面を表示して左側にドックし、幅を1トラック分に調整するという方法です。REAPER Blogの動画を見ると分かりやすいです。
MCPの設定で選択トラックにスクールをオン、トラックの多段表示をオフにします。
見た感じ大変よろしいのですが、実はREAPERって表示できるミキサーが1つだけなので、この状態だとミキサーの一覧が表示できません。
CuBASEみたいに3つも4つもとは言いませんが、せめて2つ表示できたらインスペクター用とミキサー用にできるのですが…こればかりはREAPERの仕様なので仕方ないです。
TCPに頼る
REAPERのVer.6.14からTCP部分にFXとSendリストを表示できるようになりました。デフォルトのテーマだと縦幅が必要ですが、テーマを変えればTCPに多くの情報を詰められるようになったので私はこのレイアウトに落ち着いています。ここをインスペクターとする。
選択したアイテムの情報を見たい
StudioOneのように選択イベント(REAPERだとアイテム)の情報を表示させるにはどうするか。スクリプトのInteractive Toolbarを入れていればそこに表示されますが、入れていない方もいるでしょう。REAPER標準の機能に「メディアアイテムボタン」というのがあり、これを設定するとアイテムの上部に情報が表示されるのでおすすめです。
REAPERの設定→表示→メディアから設定します。私はこのようにしています。
一番使うのはやはりアイテムのボリュームでしょうか。私はツマミ表示にしていますが、アイムの音量ハンドルというところを変えれば他のDAWのように横棒にできます。またボリュームとPANのエンベロープも表示できるのでボイスドラマ編集の時は多用しています。
アイテムのプロパティ画面をドックしておくという手もありますが、このようにUIが古く、ウィンドウサイズも変えられないので個人的にはあまり。
スクリプトに頼る「Track FX List」
kotll様作、トラックのインサートエフェクトリストを表示するスクリプトです。
ReaPackに以下のリポジトリをインポートします。
次に以下の3つをインストール。
- Track FX List
- Required Functions
- ReaImGui(拡張機能なのでインストール後にREAPERの再起動が必要)
ドラッグでのFX順序入れ替えや別トラックへのコピー・移動に対応しております。しかしREAPER標準のFXブラウザーからドラッグでの追加には対応しておらず、センドも未対応なのは残念なところ。とにかくトラックにインサートしているプラグイン一覧を見たいって方にはおすすめです。
スクリプトに頼る「MFXlist」
Fabian様作のFXリスト。
TCPの左側にドックして使います。私は使っていないのですが一覧性が高いので表示領域を節約したいフルハイ環境の方なんかには便利かもしれません。
リソースフォルダの「\Scripts\ReaTeam Scripts\FX\MFXpreset.lua」内にUSER CONFIG AREAがあるので、そこをテキストエディタ等で書き換えるとカラーやフォントサイズを変更できます。将来的にはセンドにも対応される予定があるそうです。
スクリプトに頼る「HeDa Track Inspector」(大規模)
HeDa様作、インスペクターの決定版とも言える大規模スクリプト。
FXリストはもちろん、センド・波形・各種メーター・タグ等、REAPERにネイティブで搭載されたらいいなーと思われる機能が満載です。ちなみにドネーションウェアになるのかなこれ、作者様のサイトから寄付すると半年間アップデートできるという形の有料スクリプトです。
私はだいぶ前に一時期使っていたのですが、日本語環境でうまく動かなかったのと、スクリプトゆえのもっさり感(わずかですが)が気になって今は使っておりません。ただ、2021年10月頃にメジャーアップデート(1→2)があったので、最新版はもしかすると日本語環境でも動くかもしれません。とにかく多機能なスクリプトが欲しいって方はチェックしてみてください。