REAPERはオプションからテーマファイルを変更して見た目を変える事ができるため、有志の方によるテーマファイルが数多く公開されております。
私はなんだかんだ自分でカスタマイズしたデフォルトテーマを使い続けてきましたが、しばらく前、ついにメインで使うテーマを「Reapertips Theme」に変更したのでこれはオススメしておきたいなと。あと今年(2025年)の1月に公開された「nvk_THEME」も非常に作り込まれているのでオススメしてゆきたいなと。
nvk_THEME
nvk様とTerromino様作、カスタマイズ性に優れたモダンなテーマです。
各パーツが大きめに作られているため視認性が高いのも特徴かと思います。
私なんかは長年デフォルトテーマを使い続けてきたためか、デフォルトテーマ寄りのデザインでないと違和感を覚えてしまう体になってしまいました(ゆえにReapertips Themeが好み)。ですがREAPER使用歴の短い方や、これからREAPERに乗り換えてみようかなーみたいな方には、カスタマイズのしやすさも含めるとnvk_THEMEのほうがオススメしやすいです。
このテーマは有料で、2週間のトライアル期間が設けられおります。
作者様は「有料なのは設定スクリプトだから2週間以内にカスタマイズを終えれば使い続けられるよ」ってどこかで書いてましたが😅継続使用される場合はぜひ購入をご検討ください。
金額は$19なんですけど、販売サイト(gumroad)では購買力平価が設定されているので日本からだと$12.54で購入できます(2025/6/22現在)。ありがたい反面、円安の悲しみを感じますね…
インストール
ReaPackに以下のリポジトリをインポートして、「nvk_THEME」を検索しインストールします。
https://nvk.tools/index.xml
インストール後、REAPERのオプションメニュー > テーマから「nvk_THEME_Dark」「nvk_THEME_Light」を選べるようになります。テーマの設定には「nvk_SHARED」が必要で、未インストールの場合は設定時に自動でReaPackが起動するのでインストールしてください。
見た目
フォーラムや販売サイトの動画を見ていただくのが一番分かりやすいので、ここでは私の環境でどんな感じかだけ貼っておきます。



設定スクリプト
nvk_THEMEの設定専用スクリプトが用意されており、トランスポート部分にある歯車アイコンから起動できます。細部までカスタマイズ可能で、変更した部分はリアルタイムに反映されるのでカスタマイズしやすいかと思います。
TCPやトランポート部分にカスタマイズボタンを表示するなど、テーマ独自の機能もあります。


Reapertips Theme
Alejandro(Reapertips運営)様作、REAPER v6のデフォルトテーマを元に作られたテーマだそうです。
個人的には過去一理想に近いテーマです。ありがてぇ😭
特にTCPの右セクションにFXとSendが表示できるのが最高。デフォルトテーマでもできるんですけど微妙に制限があって扱いづらかったのです。

こちらも有料のテーマになりますが、購入時に$0を入力してもダウンロード可能で、メールも捨てアドOKです。(作者様がそう案内されています)
継続使用される場合はぜひ購入もしくは公式サイトにあるBuy me Coffeeボタンからドネートをご検討ください。
インストール
ReapertipsのサイトにあるGrab nowボタンから購入してダウンロードします。

ダウンロードしたファイルを展開すると中にクイックスタートガイドがあるので詳細はそちらをご覧下さい。
とりあえず「01_Install these fonts」内のフォントを全てインストールし、「02_Theme」フォルダ内のテーマファイルx4を/REAPERリソースフォルダ/ColorThemes/にコピーすれば使えます。
テーマは色味の違いで4パターン用意されているのでお好みのものをどうぞ。私は「Dark with Light Menus」を使っています。
見た目
後述しますがフォントやカラーなど細かい部分をカスタマイズしてあります。



カスタマイズ1(基本)
REAPERの「オプションメニュー > テーマ > テーマを調整 / カラーコントロール」からREAPER v6用のテーマアジャスターが立ち上がるので、明るさやTCPの表示項目といった基本的な部分はこれで設定できます。

カスタマイズ2(詳細)
もう少し細かい部分をカスタマイズするには、アクションリストからREAPER v7用のテーマアジャスター「Default_7.0_theme_adjuster.lua」を起動する必要があります。
テーマコントロールタブを開くと生データ的なページが出てくるので頑張ってカスタマイズします。REAPERにある程度慣れている人でしたら項目名から何となく分かるんじゃないかなと。


カスタマイズ3(こだわり)
アイテムのバックグラウンドやボリュームノブのカラー版など、差替用のPNG素材がいくつか用意されております。うーん至れり尽くせり。
データはReapertips Theme展開後の「03_Extras」フォルダ内にあるのでお好みの素材を探してみてください。ただし、素材の差し替えはテーマが更新されるたびにやり直す必要があるので注意が必要です。それもあってかReapertips Themeは更新頻度が高くなく、作者様も考慮されているようなので安心感あります。至れり尽くせり。
私はTCPのボリュームノブの入れ替えだけしているので簡単に手順をご紹介。この素材を入れ替えるとボリュームの大小によってノブの色が変わるので視認性がちょっと上がります。使用するテーマのバリエーションは「Dark with Light Menus」とします。
- 「Reapertips Theme – Dark with Light Menus.ReaperThemeZip」を展開します。
拡張子「ReaperThemeZip」はZipファイルなので、7-Zipで直接展開するか、拡張子をZipにリネームして展開します。 - /03_Extras/Alternative Images/TCP Volume Knob Gradient/150/tcp_vol_knob_stack.png を/Reapertips_v1.90_Dark-with-Light-Menus/150/内に上書きします。
- Reapertips_v1.90_Dark-with-Light-MenusフォルダとReapertips_v1.90_Dark-with-Light-Menus.ReaperThemeをzip圧縮して、ファイルネームを「Reapertips Theme – Dark with Light Menus.ReaperThemeZip」に戻します。
文章だとすんごい分かりづらいすね…😓要はZip内のPNGをエキストラフォルダ内の物と差し替えて元に戻すだけです。
カスタマイズ4(テーマ開発、その他)
アクション名「テーマ開発:テーマの開発・調整を表示」からテーマの部分的なカラーやフォントなどをカスタマイズできます。

カスタマイズ後に保存が必要で、「テーマ名.ReaperTheme」という名前でテーマファイルと同じ場所に保存されて、テーマ読み込み時にこのファイルがあった場合はパラメータが上書きされるといった動作になります。なのでテーマが更新されてもカスタマイズした部分は残ってくれます。ただ、いじれない部分も多いので万能ではないです。
以下、私が変更している部分をざっとご紹介。
●アイテム上部の文字が薄くて小さいなー
メディアアイテムのラベル:フォント > Yu Gothic UI、標準、7
メディアアイテムのラベル:アイテム上部 > お好みの白さに変更(R200,G200,B200など)

●左下のメッセージ欄みたいなところの字が読みづらいなー
音量/パンのラベルのフォント > Firge35、標準、10
メインウィンドウ/再生コントローラ:文字 > お好みの白さに変更(R230,G230,B230など)

音量/パンのラベルのフォントを変えてもラベルのフォントは変わりません(別の設定が優先されるみたいなので)
また、この設定はテキストアイコンのフォントにも適用されます(ややこしいな)
●ルーラーの文字が小さいなー
時間軸:フォント > Yu Gothic UI、標準、9

●小節線を目立たせたいなー
グリッド線:小節頭 > お好みの白さ or 黒さに(R150,G150,B150など)
●マーカー線が薄いなー
マーカー > お好みの色に(R103,G124,B167など)
●ツールバーのテキストアイコンが薄いなー
ツールバー:ボタン文字 > お好みの白さに変更(R230,G230,B230など)

●アイテムを選択したときに見やすくしたいなー
選択メディアアイテムに帯を表示 > チェックを入れる

Win環境だけかもですが、テーマ開発から保存したReaperThemeファイルの一番下の行が文字化けしてしまいました。ファイル名のダッシュがShift-JISで読めない文字なのが原因だと思います。
なので、文字化け部分をテキストエディタで修正し、ファイルのエンコードをUTF-16にして保存してください。(UTF-8だとダメだった)

カスタマイズ5(rtconfig.txt)
ReaperThemeZipを展開すると中に「rtconfig.txt」というファイルがあり、これはテーマの中核を成す設定ファイルというかもはやプログラミングみたいな内容なので私もサッパリなのですが、ここでしか変更できない部分もあり少しだけカラーの値をいじっています。
●MCP、フェーダー値のカラーを濃くする(set mcp.volume.label.color)
set mcp.volume.label.color mcp.volume.label{h}>2 theme_version>1 [200 200 200] [100 100 100] theme_version>1 [100 100 100] [38 38 38]
↓
set mcp.volume.label.color mcp.volume.label{h}>2 theme_version>1 [200 200 200] [180 180 180] theme_version>1 [100 100 100] [38 38 38]

●TCP、レベルメーターのピーク値のカラーを濃くする(set tcp.meter.readout.color)
set tcp.meter.readout.color ?hide_meter_values{0} [0 0 0 0 0 0 0 0] theme_version>1 [200 200 200 255 255 183 171 255] [100 100 100 255 255 183 171 255]
↓
set tcp.meter.readout.color ?hide_meter_values{0} [0 0 0 0 0 0 0 0] theme_version>1 [200 200 200 255 255 183 171 255] [200 200 200 255 255 183 171 255]

●MCP、レベルメーターのピーク値のカラーを濃くする(set mcp.meter.readout.color)
set mcp.meter.readout.color !labelsMode{0} [0 0 0 0 0 0 0 0] theme_version>1 [140 140 140 255 255 183 171 255] [100 100 100 255 255 183 171 255]
↓
set mcp.meter.readout.color !labelsMode{0} [0 0 0 0 0 0 0 0] theme_version>1 [140 140 140 255 255 183 171 255] [200 200 200 255 255 183 171 255]

スケーリング125%の悲哀
REAPERのテーマファイルはOSのスケーリングに対応しており、デフォルトテーマや今回ご紹介した2つのテーマは100%、150%、200%の3種類が用意されています。
私は32インチ(正確には31.5インチ)4Kモニタをスケーリング125%で使っているので、REAPERでは150%ではなく100%用のレイアウトやアイコンが適用され、これは私の衰えた目にはかなり小さいので、全てのレイアウトと全てのツールバーアイコンを150%の物に設定してやっとちょうどよくなります。まぁ125%で使うような人は少数派だと思うのでこれは仕方ないです🥹

ここで問題になるのはツールバーのテキストアイコンでして、これが100%のサイズでしか表示されないので私の環境だとちっちゃ過ぎて文字が読めません。

ですが、力技で解消する方法があるのでご紹介。
簡単に言えば100%用のPNGを150%用のPNGに差し替えるだけです。
- ReaperThemeZipファイルを展開
- 展開してできたフォルダ内の「toolbar_blank.png」「toolbar_blank_inverted.png」を削除。(この2つは100%用のPNG)
- 「150」フォルダ内の「toolbar_blank.png」「toolbar_blank_inverted.png」を上の階層にコピー(上で削除したファイルを戻す形と言いますか)
- Zip圧縮し直して拡張子をReaperThemeZipにリネーム

相変わらず文章だと分かりづらくてスミマセン…これ書かない方がいいんじゃないのかもしかして。
あと上でも書きましたが、テキストアイコンのフォントは「テーマ開発 > 音量/パンのラベルのフォント」と連動しています。よって、音量/パンのラベルのフォントを変更すると音量/パンのラベルは変わらずに、テキストアイコンのフォントと左下のメッセージ欄みたいな所のフォントが変わります。(ほんとややこしい)
デフォルトテーマの右セクション問題
デフォルトテーマのTCP右セクション、この制限が無ければ乗り換えてなかったかもなぁ。



とはいえデフォルトテーマはTCPを極細にしても各トラックのVolとPANの値を表示できるなど良いところもたくさんあるので今後もチェックは怠らないようにしてゆきたいです。あまりこだわらず、その日の気分でテーマを変えるのも一興🤗

まとめ
テーマを2つサクッとご紹介するつもりだったのが、せっかくなのでとカスタマイズまで書いていたら思いのほか長くなってしまいました…
なにしろREAPERを快適に使う上でスケーリングは重要になりますのでモニター選びは慎重に。フルHDの24インチはいいとして、4Kなら27インチ150%くらいがちょうどいいんですかね。私も老化が進んだら諦めて32インチを150%で使うこととします😭